― 多くの社長が無意識に陥っていること ―
資金繰りが厳しくなると、
「売上が足りないからだ」
「景気が悪いから仕方ない」
そう考えてしまいがちです。
ですが、実際の現場で多く見てきたのは、
原因がもっと身近なところにあるケースです。
ここでは、数字の表にはすぐ表れない、
資金繰りを悪化させやすい“考え方や行動”に焦点を当てます。
① 「なんとなく大丈夫」でお金を見ていない
資金繰りが悪化する一番の原因は、
現状を正確に把握できていないことです。
・通帳の残高を感覚でしか把握していない
・今月いくら出て、来月いくら入るか分からない
・資金繰り表を作ったことがない
「忙しいから」「あとで見よう」と後回しにしているうちに、
気づいた時には余裕がなくなっている。
これは、決して珍しい話ではありません。
② 売上=お金が入る、と思い込んでいる
会計上の売上と、実際の入金は一致しません。
・売上は立っている
・仕事は回っている
・帳簿上は黒字
それでも資金が足りないのは、
入金のタイミングを意識していないからです。
売上があることと、
使える現金があることは別物。
このズレを放置すると、資金繰りはじわじわと苦しくなります。
③ 「いつか回復するだろう」で判断を先延ばしにする
資金繰りが怪しくなったとき、
多くの社長がこう考えます。
「来月は入金が多いから大丈夫」
「もう少し様子を見よう」
この“様子見”が続くと、
選択肢はどんどん減っていきます。
早めに動けば取れた対策も、
時間が経つほど厳しい判断しか残らなくなる。
資金繰りは、
問題が小さいうちに手を打てるかどうかが大きな分かれ目です。
④ 固定費を「変えられないもの」と思っている
家賃、人件費、リース料、サブスク。
「固定費だから仕方ない」と思っていませんか?
実際には、
・見直せる契約
・減らせるコスト
・一時的に調整できる支出
が隠れていることも多くあります。
ですが、忙しさの中で検討する時間が取れず、
そのまま払い続けてしまう。
結果として、資金の余裕が奪われていきます。
⑤ 一人で抱え込み、相談するタイミングを逃している
資金繰りが厳しくなるほど、
人に相談しづらくなる社長は少なくありません。
・弱みを見せたくない
・迷っていると思われたくない
・自分で何とかしなければ
ですが、経営は一人で戦うものではありません。
特に資金繰りは、
第三者の視点が入ることで、見え方が大きく変わる分野です。
相談が遅れるほど、
選べる道は狭くなってしまいます。
税理士として感じること
資金繰りが悪化する会社の多くは、
能力や努力が足りないわけではありません。
ただ、
「見るのが怖い」
「考える余裕がない」
その状態が続いているだけです。
だからこそ、
まずは現状を正しく知ること。
そして、一人で抱え込まないこと。
それが、資金繰り改善のスタートラインだと感じています。

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